一つの料理となっているオードブルのレシピ
世界に自慢できる、日本のオードブルのレシピ
一般人にもだいぶ浸透している“オードブル”という言葉。飲食店で当り前のようにメニューに載っていることから、だいたいの方は意味がわかっていることでしょう。とりあえず、メインに行く前に頼むもの、軽めにしたい時に頼むものという認識ではないでしょうか。
本来の意味は前菜ですから、一番初めに頼む料理ということで、認識としては間違いありません。ところが日本では、オードブルが暗黙のうちにもっと進化をさせた意味になっていたというか、実際に出てくる料理が進化していたというか、素晴らしい料理になっています。
コースで腕をふるう一流シェフによってどういう進化を遂げているかといえば、一皿一品ではなく、いろいろな盛り合わせレシピとしてオードブルが存在していることもありますし、オードブルから完全な創作料理の一つとして存在していることもあるのです。
フレンチにしろ、イタリアンにしろ、中華にしろ、とにかく何料理においても日本のシェフたちが披露するオードブルのレシピは、観光で訪れる外国人も驚くでしょう。それほどレベルの高いオードブルが日本では出せる実力があります。
もちろん、日本料理も忘れてはいけません。日本料理ではオードブルとはいわず、先付(さきづけ)というものに該当します。ここでも、シェフたちが季節感を出しながら自分の味を追求し、ここにおいても日本独特の味わいを感じるオードブルのレシピが完成しているのです。
もともと、オードブルというのはフレンチから来ていますから、日本に来た歴史としてはそれほど古いわけではありませんが、料理を進化させる日本人の鋭い感覚は、世界に自慢できることでしょう。
ケータリングなどで盛り合わせに変化
オードブルは本来、フルコースのスープの前に口にする料理ですから、いってみれば、メインに向けて走り出すシェフの助走のようなものだったわけです。それがいつの間にか、ケータリングなどでは大皿での盛り合わせがオードブルとして定着しています。